車のワイパーを上げる意味はない?メリットとデメリットをお伝えします!

  • ワイパーを上げる意味って、冬以外にもあるの?
  • 明日風が強くなるんだけどワイパー上げたままで大丈夫かな・・・
  • 旅行先で大雪警報が出たんだけど、クルマになにかした方がいい?

駐車場でワイパーを上げているクルマを見かけることがあるかと思いますが、ワイパーを上げてとめたことがないので、その意味が気になったことがあります。

雪が降る前に上げることが多いイメージですが、年中上げている人も。

雪の日であればフロントガラスに雪が積もってしまうからなどなんとなく理由が浮かびますが、他の季節に上げる理由はいったいなんなのか、不思議に思ったことはありませんか?

今回はなぜワイパーを上げるのか、上げることによってどんなメリット・デメリットがあるのかを説明していきたいと思います。

一番の理由はワイパーの劣化・故障を防ぐためです。

軽い故障ですむ場合もありますが、場合によっては大きな出費になる可能性も…。

皆さまの大切な愛車のワイパーを守るために、日々クルマの知識を深めているクルマ屋社員が説明いたします!

目次

駐車中にワイパーを上げる意味は?

大雪に見舞われたクルマ
大雪のあとのクルマ

雪の日にワイパーを上げる意味は3つあります

どのタイミングでワイパーを上げることが多いのかと言うと、やはり雪が降ると言われているときです。

ではなぜ雪が降るときにワイパーを上げるのか?意外と理由を知らない人も多いと思います。

雪の日にワイパーを上げる意味は主に3つあります。

  • フロントガラスに張りついたまま凍結してしまうのを防ぐため
  • 凍りついたワイパーを無理やり動かしてワイパーが故障するのを防ぐため
  • 雪かきを楽にするため

ここからは各内容について、詳しく紹介していきます。

フロントガラスにワイパーが張りついたまま凍結してしまい、動かなくなるのを防ぐため

水分の多い雪が降るとフロントガラスにワイパーが張りついてしまい、最悪の場合そのまま凍ってしまいます。

凍りついてしまうと運転時にワイパーを動かすことができません。

ワイパーが動くようになるまで待っていると時間もかかりますので、凍る前にワイパーを上げておけば防ぐことができます。

またワイパーが張りついてしまっていると雪かきをするときに動かすことができず、ジャマになってしまいます。

凍りついたワイパーを無理やり動かして故障してしまうのを防ぐため

先に挙げた通り、フロントガラスに凍って張りついてしまったワイパーを無理やり動かそうとして、ワイパーが壊れてしまう場合があります。

ワイパーのゴムがくっついてはがれてしまったり、フロントガラスからはがすのに持ち上げようとしてアームやブレード部分が折れてしまうことも…。

また、無理に動かそうとするとモーターにも負荷がかかってしまい、コイルが焼けるなどして故障の原因となります。

モーターが故障してしまうとワイパーを使うことができないため修理をしなければならず、痛い出費となってしまうのでじゅうぶんに注意しましょう。

フロントガラスに積もった雪を楽に雪かきするため

雪が降ったあとはクルマにたくさんの雪が積もっていることがあります。

クルマに乗るにはフロントガラスに積もった雪をどかさなければならず、雪かきをするときにワイパーに当たってしまいジャマになることがあります。

また、ワイパーがどこにあるのか見えずに雪かきをしてしまい、雪かきに使っている道具がワイパーに当たってしまって故障なんてことも。

そのため、事前にワイパーを上げておくことでスムーズに雪かきができます。

もしワイパーを上げることを忘れてしまったら

急な大雪だったり、うっかり上げ忘れてワイパーがフロントガラスに張りついてしまった場合、朝起きてこれから仕事なのに!と焦ることがあると思います。

お出かけの準備中や急いでいるときなど、以下の方法でワイパーを解凍してすぐ動かせるようになることがあるので、試してみてください!

エアコンで暖める

自然に溶けるのを待っていられない場合は、エンジンをかけて暖房を起動し、内側から暖めて溶かします。

お出かけの準備の間にやっておくことで、乗るころには解凍され車内も暖かい状態で出かけることができます。

フロントガラスにぬるま湯や水をかける

氷を解かすなら熱湯だと思う人もいると思いますが、凍っているところに熱湯をかけてしまうと急な熱膨張によりフロントガラスやワイパーのゴムが破損してしまう恐れがあります。

そのためお湯をかけて解凍する場合は熱湯ではなくぬるま湯か水をかけましょう。

ただしまだ雪が降っている状態でお湯をかけてしまうとその水分が再度凍結してしまう可能性があるため十分注意してください。

最短は解氷スプレーを使用する

車内を暖めたりお湯を沸かしている場合ではない!そんなときは解氷スプレーがオススメ。

エタノールが含まれているため短時間で解氷し、撥水性分が入っているものだと水をはじいてくれるので、水分の付着が減り再凍結の可能性を防いでくれます。

冬以外にワイパーを上げる場合も…

冬以外の季節でもワイパーを上げる場合があります。

雪も降らないのにワイパーを上げる意味なんてあるの?と思う人もいると思いますが、実はワイパーを上げることによってフロントガラスに傷がつくことを防げる場合が。

ゴムの劣化でワイパー軌跡痕ができてしまう

洗車

ワイパーが劣化すると、フロントガラスに傷がついてしまったり痕が残ることも。

湾曲しているガラスに均等にワイパーのゴムがあたらないと、筋状の跡ができてしまいます。

ワイパーの役割は水をはけさせることだけではなく均等に水の膜を張ることなのですが、均等に膜を張ることができないと筋状にワイパー軌跡痕となって表れてしまいます。

また、ワイパー軌跡痕の他にも油膜が付着してしまい、筋状のワイパー痕以外にもガラス全体が白く曇ってしまう場合があります。

油膜は簡易的にスプレータイプの油膜取りで取り除くこともできますが、がっつり付着してしまっている油膜は一時しのぎにしかならず時間が経つと油膜が発生してしまい視界の邪魔になるので、油膜取りのウォッシャー液を使用したりプロへ依頼をして綺麗に油膜を除去してもらいましょう。

ワイパーとフロントガラスのあいだに砂などが入り込むのを防ぐため

夏場の場合、熱でワイパーのゴムが溶けて変形することはほぼありませんが、紫外線による劣化はあります。

ですがそれはワイパーを上げても防ぐことはできません。

ではなぜ上げるのか、ワイパーのゴムとフロントガラスのあいだに塵やはっぱなどが入り込んでしまい、そのままワイパーを動かすことによって傷がつくことを防ぐためです。

細かい砂でガラスをこすると細かい斜線のような傷ができてしまう可能性があります。

フロントガラスに傷がつくと視界不良になり運転もしづらくなってしまいますので、できれば避けたいところ。

痕や傷の見分け方は簡単で、雨が降っているときだけに痕が見えるのはゴムの劣化または油膜、洗車をして拭き上げたあとにも痕が残っている場合は傷になります。

ワイパーを上げることによるデメリットは?

雪かき

ワイパーを上げることによるメリットはお伝えしましたが、逆にデメリットもあります。

雪かきのときに雪を誤ってワイパーへかけてしまい折れてしまう

クルマの雪かきの際にはルーフも行うかと思いますが、雪をおろす方向を間違えワイパーにかかってしまった場合雪の重みでワイパーが折れてしまう場合があります。

またクルマをとめている場所にもよりますが、屋根の下などにとめているときに積もった雪が落ちてくると上げているワイパーにあたってしまい、最悪の場合折れてしまうことが。

雪はまとまると意外に重みがありますので、雪のかたまりが降ってきた重力と合わさってワイパーへのダメージとなるため、雪を投げる場所にもじゅうぶん注意しましょう。

大雪の日は強風でも折れてしまう

大雪が降るときには風がとても強くなることが多く、その場合風の力に勝てずに折れてしまう可能性があります。

風で折れるなんて…と思うかもしれませんが、台風のときに外を歩いたときの自分にかかる圧力を思い出してみてください。

その圧力がワイパーにかかってしまうと、あっさりと壊れてしまうのです。

簡単に折れる素材ではありませんが、本来の向きとは別方向に強い力が加わるとあっという間に壊れてしまうので大雪に限らず上げるのはやめましょう。

ワイパーを上げていると人の目に付きやすく、通りすがりにいたずらをされてしまう

クルマのワイパーが上がっていると人目に付きやすく、通りすがりに逆方向へ押されて曲げられたりゴムにいたずらをされたりします。

道路より奥まったところに止めていればわざわざ入っていかないと出来ないのであまり被害はありませんが、道路に面した駐車場に止めている場合は注意してください。

ボンネットに隠れているワイパーの場合は?

一部の高級車や外車に採用されているコンシールドワイパーはボンネットに隠れているため、ワイパーを上げることができないと思われがちですが、しっかり上げることができます。

コンシールドワイパーが採用されている車種にはワイパーを収納位置から出すことができるワイパースイッチが付いていて、このスイッチを使用すると他のクルマと同じようにワイパーを上げることができます。

ただしワイパーを上げたままの状態で動かしてしまうとフロントガラスやボンネットなどに当たってしまい破損の危険がありますので、必ずワイパーを元の位置に戻してから使用してください。

ワイパーが破損してしまったときの平均修理費は約3,000円

修理する工場

ワイパーが破損してしまった場合、故障の具合によりますが以下の修理費がかかります。

ワイパーの故障と同時にフロントガラスにも影響があった場合、フロントガラスを修理・交換することも…。

ワイパーゴム1本1,500円前後
ワイパーブレード1本3,000円前後
ワイパーモーター約30,000円~50,000円
ワイパーの各部位の修理費

ワイパーの交換時期目安は?

ワイパーが破損していなくても、ゴムには交換の目安があります。

1年に1回の交換が望ましいと言われていますが、クルマを駐車している環境にもよるため必ず年に1回のみでよいわけではなく、状況次第では年2回の場合もあります。

良好な視界をたもちながら運転をするには、最低でも年に1回のゴム取り換えがオススメです。

簡単に壊れてしまうので、ワイパーを上げるときはじゅうぶんに注意して上げましょう

駐車中にワイパーを上げることで、ゴムの劣化やワイパーの破損なども未然に防ぎ、急な出費になってしまわないためにも定期的にメンテナンスが必要になってくることがわかりました。

クルマに必ず備え付けられているワイパーですが、故障しない限り整備・点検などあまり気にしない人がほとんどだと思います。

意識を向けない限りワイパーの劣化やゴムの破損に気付くことができず、点検にだしたときにはすでにフロントガラスに傷が…なんてことも。

ワイパーはかんたんには壊れないでしょ?と思うかもしれませんが、ワイパーが壊れなくてもフロントガラスなどに影響が出て大きな出費にもなりかねません。

自分のクルマのワイパーがしっかり使える状態か定期的なメンテナンスをオススメいたします。

おさらい
  • 雪が降る前にワイパーを上げると雪かきが楽になる
  • ワイパーの劣化を防ぐことができる
  • ワイパーのゴムが劣化するとフロントガラスにも影響が出てしまう

ワイパーを上げる意味については伝わったでしょうか?

少しの手間を加えることでワイパーの寿命を延ばすことができます。

雨が降ったときに必ずお世話になるものですので、メンテナンスを怠らず常にいい状態をたもちましょう。

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