信号機が発するカッコーとピヨピヨの音の意味ってなに?どんな役割があるのか説明します!

  • 信号機が発する【カッコー】【ピヨピヨ】って音の意味はいったいなに?
  • 音楽が鳴るものもある気がする…
  • どんなところに設置されているの?

みなさんは【音の出る信号機】を知っていますか?

まったく知らない人もいれば、毎日のように聞いている人、片手で数える程度しか聞いたことのない人もいると思います。

音の出る信号機は、とても重要な役割を果たしているのです。

今回は音が出る信号機について詳しく解説したいと思います。

音の出る信号機は【音響式信号機】といい、視覚障碍者が安全に信号を渡るために設置されています。

音の存在を知っていても理由までは知らなかった車屋正社員が、音の意味と理由をしっかりと説明いたします!

目次

歩行者用信号機が発する【カッコー】【ピヨピヨ】は何の音?

車の信号待ちや街中を歩いているとき、歩行者信号から【カッコー】【ピヨピヨ】といった音が聞こえたことはありませんか?

その音、実はしっかりと意味があるんです。

歩行者信号が赤から青へと変わると音が鳴り始めます。

これは視覚障碍者をサポートするための大事な音なのです。

カッコーやピヨピヨと音の鳴る信号機は音響式信号機という

音の鳴る信号機は音響式信号機といいます。

視覚障碍者が安全に信号を渡るのに有効とされており、音響式信号機が発する音で歩行者を誘導しているのです。

社会福祉法人日本視覚障害者団体連合のホームページには、音響式信号機の機能や役割についての解説があり、その中で【カッコー】【ピヨピヨ】の音についても紹介されています。

1.音響式信号機とは

 音響式信号機とは、信号機が青になったことを視覚障害者に知らせる為、誘導音を出す装置がついている信号機のことです。
 音響式信号機には以下の2種類あります。
(1)メロディ式…「とおりゃんせ」や「故郷の空」等の音楽が流れる方式です。
(2)擬音式…「ピヨピヨ」や「カッコウ」等の音が流れる方式です。

 警察庁によると、音響式信号機は、平成31年3月末現在、全国で約20,013基(メロディ式約442基、擬音式約19,571基)が設置されており、約98%が擬音式となっています。警察庁は平成15年から擬音式の異種鳴き交わし方式の整備を進めています。
 しかし、視覚障害者の中には「メロディ式の方が青信号に変わってからの時間が分かりやすい」とか、「メロディ式の方が音が連続しているので方向が認識しやすい」といった声もあります。

 また、音響式信号機ではありませんが、押しボタンのところで「信号が青に変わりました」と発する信号機もあります。比較的狭い道路では、コストも低く抑えられるこのような設備で十分な場合もあります。

http://nichimou.org/impaired-vision/barrier-free/acoustic-signal/ (日本視覚障害者団体連合 音響信号機 より引用)

近年では歩行者信号の工事の際にとおりゃんせなどのメロディ式からだんだんと変わっていき、令和4年3月末時点では全国に約2万基ある歩行者信号のうち99%が【カッコー】【ピヨピヨ】といった擬音式に替わっているんだとか。

残り1%はメロディ式で、ごく一部の歩行者信号では音楽が流れます。

音響式信号機は主に視覚障碍者が利用することが多い盲学校・リハビリテーションセンター・役所などの公共施設を含む地域に優先的に設置されてるそうです。

音を発する信号機にはさらに種類がある

音響式信号機ですが、音の違いがある他にも種類が分かれています。

1つめは音響式信号機と呼ばれ、信号が青に変わると同時に音が鳴るタイプのもの。

2つめは音響用押ボタン式信号機と呼ばれ、視覚障碍者用のボタン(音響用押しボタン)を押したときにのみ音が鳴るタイプのもの。

以上の2種類が存在します。

押しボタン式の場合は、ボタン箱から「ピッピッ」と音が鳴り、ボタン箱の場所を知らせます。

このタイプの信号機は、周囲への音の影響を考慮して設置されているため、必要としない場合はボタンを押さないように心がけましょう。

カッコーやピヨピヨなどの擬音ではなく音楽が鳴る信号機も

今ではほとんどが擬音式の信号となりましたが、古い信号機などは【とおりゃんせ】や【故郷の空】といった音楽が流れるメロディ式のものも存在しています。

その2曲以外にも【春の小川】や【夕焼け小焼け】など、有名な音楽が数多く活用されていました。

音楽が流れている間は視覚障碍者でも安心して歩行者信号を渡ることができます。

そんなメロディ式信号機ですが、1980年代後半から2000年代初頭まで、全国で2000基ほど設置されていました。

ですが今現在では400基ほどしか存在しません。

ではなぜメロディ式が減っていったのか?

大きなきっかけとなったのは、警視庁へ「音を全国的に統一してほしい」と多くの声が寄せられたためだと言われています。

音楽は楽しむために流すのではなく、視覚障碍者が安全に歩行するためのものです。

そのため、様々な音楽が流れることで混乱につながってしまったのかもしれません。

このことから警視庁は過去に2度の通達を出しています。

1度目は1975年におこなわれ、この通達によって擬音式は【カッコー】【ピヨピヨ】の2種類、メロディ式は【とおりゃんせ】【故郷の空】の2種類に統一されました。

この通達によって全国バラバラだった音楽が統一されたのです。

【カッコー】【ピヨピヨ】の音にはそれぞれ意味がある

擬音式信号機で使われている【カッコー】と【ピヨピヨ】ですが、音が違うのにはそれぞれ意味があります。

音を変えることで視覚障碍者がより安全に横断歩道を渡りやすくなり、音の違いでどちらが赤でどちらが青なのか聞き分けることができるのです。

それぞれの擬音にはこのような役割があります。

  • カッコーは主道路横断用
  • ピヨピヨは従道路横断用

ここからはこの擬音がどのような役割を果たしているのか説明します!

カッコーは主道路横断用

カッコー、という音は主道路横断用に設定されています。

主道路とは主に東西に位置し、交差点において交通量の多い道路を意味しています。

この音が鳴ることで主道路だと判断ができ、自分がこれから横断する道路の広さが判断できるのです。

大きな道路を渡るのであれば少し急ぎ足にならないと渡り切れないなど、自分で調節することが可能に。

より安全に道路を渡ることができます。

ピヨピヨは従道路横断用

ピヨピヨ、という音は従道路横断用に設定されています。

従道路とは主に南北に位置し、主道路と反対で交通量の少ない道路を意味しています。

主道路とは違い狭いため道路を渡り切るのに時間は要しませんが、交通量が少ない場合も見通しが悪く車に認識されないなどの危険性があるため注意が必要です。

2度目の通達でさらにわかりやすく

1975年に警視庁から1度目の通達が出され、擬音式2種・メロディ式2種の計4種となりました。

そして2003年、警視庁は新たに「道路横断時の方向性がより明確で、誘導性も高い、擬音式の異種鳴き交わし方式(目の不自由な方をより安全に誘導するために、交差点の対岸で違う種類の音を鳴らす方式)の整備を進める」と通達を出しました。

この通達が出されたことにより、擬音式信号機は【異種鳴き交わし方式】となったのです。

異種鳴き交わし式は【ピヨ】【ピヨピヨ】または【カッコー】【カカッコー】を約1.5秒間隔で道路のあちら側とこちら側で交互に鳴らす方式です。

これにより、道路の横断がさらにしやすくなったといわれています。

例えば【カッコー】と聞こえる方へ向かえば、後ろからは【カカッコー】と聞こえるため、方向を間違えることなくスムーズに歩行者信号を渡り切ることができます。

カッコーやピヨピヨと音を発する信号機はとても大切なもの

音の鳴る信号機は、視覚障碍者に信号の渡る方向を的確に教える役割を担っていて、その音にそって行動をしています。

街中で何気なく聞いている信号機の音は、実はとても重要な役割を果たしていました。

この音が聞こえるからこそ、視覚障碍者の方たちは安全に信号を渡ることができるのです。

おさらい
  • 信号機の音は視覚障碍者を安全に渡らせるための音
  • 昔は様々な音楽が鳴っていたが、今は2種の音と2曲のメロディのみ
  • 自動で鳴る信号機と手動で鳴らす信号機がある

音の鳴る信号機について皆さん理解は深まりましたか?

何気ない音にも重要な意味があるとわかったと思います。

少しでも安全な生活が送れるように工夫されていますので、この信号機がある意味を少しでも理解してもらえたら嬉しいです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次