- 人が乗っている場合はパーキングメーターの支払いはどうなるのか
- パーキングメーターが作動していても人が乗っている場合なら駐車違反にならないって本当?
- 人が乗っている場合でも違反切符を切られることってあるの?
特定の時間帯だけ短時間なら路上駐車をしても良い道路は【時間制限駐車区間】と呼ばれ、駐車可能なスペースにはパーキングメーターやパーキングチケットの発券機が設置されています。
駐車場が少ない都心部などではありがたい設備ですが、同じ場所に停めておける時間は最大でも60分と短いので使い勝手が悪いと感じてしまう方も多いようです。
なんとか駐車時間を引き延ばせないかと考えて、ネットで方法を調べてみると”人が乗っている場合はセーフ”や”人が乗っている場合でも駐車違反になる”という相反する情報が出てきます。
もし本当に人が乗っている場合ならパーキングメーターに長く駐車できたり、支払いをせずに利用できるならドライバーにとっては嬉しい話ですが、結論から言えば【ほとんどの場合が駐車違反になる恐れがある】ので注意しましょう。
この記事では、パーキングメーター利用をするとき車に人が乗っている場合に関するウワサの真偽を正しい情報と共に詳しく解説します。
パーキングメーターの使い方など基本的な情報を詳しく解説している関連記事にもぜひ目を通してみてください。
人が乗っている場合でパーキングメーターの支払いが不要なケース
冒頭でも説明した通り、基本的に人が乗っている場合でもパーキングメーターに長時間の駐車ができたり、支払いをしなくても駐車違反にならない・・・なんてことはありません!
しかし、パーキングメーターで人が乗っている場合に料金の支払いが不要となる状況は確かにあります。
それはパーキングメーターが設置された駐車スペースを、一時的に車を停車するために利用した場合です。
駐車の定義とは
道路交通法では、駐車は以下のように定義されています。
駐車とは、車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいいます。
定義を聞くと難しそうに思えますが簡単に言うと以下の通りです。
- 何らかの理由で車が同じ場所にずっと停まっている状態
- 上記が5分以上継続している
- 運転手が居ない、すぐに車を発進できない状態である
同じ場所に5分を超えて車を停めていて、尚且つ車をすぐに移動できない状況は”駐車”とみなされます。
よく、「車に人が乗っている場合なら停車扱い」になると誤認している人がいますが、同乗者が車に乗っていたとしても免許を持っていなければ車を発進できない状態なので5分を超えた時点で駐車となり、駐車違反区域なら処罰対象になるので注意が必要です。
ちなみに車を発進できない状況には、車が故障してしまった場合も含まれます。
停車の定義とは
車を路上に停めていても、以下の要件を満たす場合は”停車”となります。
- 人の乗り降りなどを目的とした車両の停止
- 5分を超えない時間内での荷下ろしや軽作業を目的とした車両の停止
- 運転可能な人間が車両から離れておらず運転できる状態であること
例えばパーキングメーターが設置されている駐車スペースを利用して、一緒に乗せてきた同乗者を降ろしたり、待ち合わせをしていた人を乗せたりする場合、5分以内であれば停車という扱いになるのです。
停車なら未納ランプが点灯していても支払いは不要
ドライバーが車に乗っている状態、もしくは離れていても運転可能な人が車に乗っている場合なら、パーキングメーターの駐車スペースを停車で利用しても違反にはなりません。
停車の定義では5分を超えないと定められていますが、現実的には1~2分ほど停車時間がオーバーしてしまうこともありますが故意でなければ問題なし。
パーキングメーターは車両を感知してから5分経過すると未納ランプが点灯しますが、停車であれば支払いは不要なのでそのまま車を発進しても罪に問われる心配はありません。
この【停車ならパーキングメーターへの支払いが不要】という部分の解釈が間違っていたり、誤認していることが間違ったウワサや情報に繋がっているのかもしれません
パーキングメーターに支払っている料金の正体とは
前項で人が乗っている場合やドライバーが乗車しているなど”停車”であればパーキングメーターに未納ランプが点灯しても、料金を支払わなくても違反にはならないと解説しましたが、「本当にそんなことあるの?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
実は、パーキングメーターに支払っている料金は駐車料金ではなく手数料。
時間制限駐車区間として短時間の駐車を可能とするための設備であるパーキングメーターの設置費用や維持費をまかなうために徴収しているお金となっています。
駐車のために設置された設備なので、停車の場合はパーキングメーターの手数料を支払う義務が発生しない(設備を利用していない)ということになるのです。
人が乗っている場合のパーキングメーター利用に関するウワサをまとめて解説!
人が乗っている場合にパーキングメーターを使うときは、停車なら支払い不要で駐車なら定められたルールを順守するのが正しい利用方法です。
しかし、残念ながらパーキングメーターは制度や法規制があいまいな部分があり、悪用する方法やウワサが数多く出回っているのも確かです。
特に多くみかけるウワサについて、解説付きで真偽や注意点を紹介しますのでチェックしてみてください。
- ウワサ①人が乗っている場合ならパーキングメーターの監視員は手出しできない?
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パーキングメーターやパーキングチケットが設置されている時間制限駐車区間の道路には、駐車違反の車両を監視する人が配置されている場合があります。
監視員は、違反車両があれば黄色いシール(放置車両確認標章)を貼るのですが、人が乗っている場合は停車だから手出しが出来ないというウワサが出回っています。
結論から言うと、【人が乗っている車両や未納ランプが点灯している車両に監視員が手出しできない】のは事実です。
パーキングメーターの駐車監視員は、本来なら警察官が行う「放置車両の確認および標章の取付け」という業務を委託されている民間人です。
彼らが業務委託されているのは
- パーキングメーターの制限時間超過による違反駐車車両の確認と標章の取付け
- 正しい場所(定められた白線内)に停めていない車両の確認と標章の取付け
上記の2つとなっていて、車は停まっているがパーキングメーターを作動させずに未納ランプが点灯した状態(不作動違反)の取締りをすることはできません。
また、パーキングメーターを利用していて時間を過ぎていても車に人が乗っている場合は、放置車両とみなすことができないので監視員はシールを貼ることができないのです。
ただし!監視員が手出しできないだけで、故意に不正利用をすれば交通違反であり取締りの対象となります。
警察官が居合わせた場合は、普通に駐車違反として違反切符を切られますので不正利用は絶対にやめましょう。
- ウワサ②人が乗っている場合なら警察官であっても手出しできない
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パーキングメーターの駐車エリアで、人が乗っている場合なら警察でも手出しができないというウワサもあるようです。
確かに、車に人が乗っている場合だと「今メーターにお金を入れるところだった!」や「小銭が無いからお金を崩しに行った」などの言い訳をされる恐れがあり、水掛け論になることが多いため警察も積極的に取締りを行わない可能性はあります。
しかし、前項でも解説した通りパーキングメーターの不正利用は立派な犯罪行為なので取締りの対象です。
積極的に取締りは行わないとはいえ、状況や担当の警察官によっては普通に取締りを受けることもあり、違反とみなされれば処罰を逃れることはできません。
人が乗っている場合であってもパーキングメーターは正しく利用しましょう!
パーキングメーターが設置されている時間制限駐車区間では、人が乗っている場合だと取締りが甘くなってしまう一面があるのは確かです。
しかし定められたルールを無視して料金を払わなかったり、意図的に車に人が乗っている状態にして取締りから逃れるなどの行為は【立派な犯罪行為】なので絶対にやめましょう!
- 人が乗っている場合は監視員や警察が取り締まりしにくいのは事実
- 停車で利用した場合に限り、料金を支払わなくても罪には問われない
- 見つからなければ大丈夫・・・は大きなトラブルの元!
「ルールやシステムがあいまいなのが悪い」
「小銭でしか払えないのに両替機が無いのが悪い」
身勝手な言い分で違反行為を正当化するようなウワサや情報が出回っていますが、取締りを受けたときの責任は自分がとる羽目になってしまいます。
パーキングメーターは決められた時間と場所を守り正しく使うようにしましょう!