- 下り坂でエンジンブレーキを使いすぎると危ないかな?
- フットブレーキのパッドを消耗しないためにエンジンブレーキを使いたいな…
- そもそもエンジンブレーキってなに?
みなさんは下り坂でエンジンブレーキを使いすぎるのは危険だなと感じますか?
下り坂を走るときはブレーキを使わないと、どんどん加速してしまい危険ですよね。
でもブレーキを使いすぎるとパッドもすぐダメになりそうだし、クルマが壊れそう…。
少しでも不安をなくし、クルマの調子をよくしておきたいと思いませんか?
今回は下り坂でどのようにブレーキを使うのがよいのか、エンジンブレーキの説明とフットブレーキとの違いについてご説明いたします。
ブレーキを適切に使い分けることで、クルマへのダメージが少なく乗り続けることができます。
エンジンブレーキですが、最近のクルマはプログラムによって機能の調整がされているため、使いすぎると危険ということは減りました。
そのため、クルマによって危険かどうかが変わってくるということになります。
下り坂でブレーキをがっつりと踏みがちなクルマ屋社員が、ブレーキについてご説明いたします!
エンジンブレーキとは?使いすぎるとどうなる?
今回のタイトルにもなっているエンジンブレーキですが、みなさんはエンジンブレーキがどのようなものか知っていますか?
エンジンブレーキとは、エンジンの回転を利用した減速方法です。
クルマはアクセルペダルを踏むことで加速しますが、ペダルから足を離すとエンジンの回転数が落ち、制動力によって徐々に減速していきます。
この減速する力がエンジンブレーキです。
ようするに、アクセルから足を離したときにだんだんスピードが落ちていくのはエンジンブレーキが作動しているからです。
でも自動でかかるエンジンブレーキだけだと弱くて心もとない…。
そんなときはAT車でもより強くエンジンブレーキをかけることができますので、やり方をご説明いたします。
AT車でエンジンブレーキを強くかける場合
より強くエンジンブレーキをかける方法は
- アクセルから足を離す
- シフトレバーをDからシフトダウン
- 更に強くかけるためにはフットブレーキとの併用
です。ここからは詳しく説明していきます!
まず、足をアクセルから離します。
そのあとにシフトレバーをDから【O/D機能をオフ】または【2にシフトダウン】します。
変更したあとはフットブレーキを使いながらスピードを落とします。
この動作により軽いエンジンブレーキがかかります。
より強くエンジンブレーキをかけたい場合は、さらにシフトダウンしてフットブレーキを併用しながらスピードの調整をします。
以上のやり方で、より強くエンジンブレーキを使うことができます。
エンジンブレーキを使うことによって得られる効果は?
フットブレーキではなくエンジンブレーキを使うことでどのような効果が得られるのか知っていますか?
エンジンブレーキを使うとフューエルカット(燃料カット)が作動して、燃料の供給が止まり減速しながら走行した距離分平均燃料が向上します。
また、長い下り坂や急ブレーキなどでフットブレーキを酷使したことによりブレーキが利かなくなってしまうベーパーロック現象が起きることを予防することができます。
エンジンブレーキを使いすぎるとクルマがダメになるとの噂も…
下り坂でフットブレーキを使いすぎるとべーパーロック現象が起きてしまうと説明しましたが、その代わりにエンジンブレーキをたくさん使っても大丈夫なのか心配になりますよね。
最近のクルマは速度に合わせてコンピューターが自動で変則を調整するため、エンジンブレーキをたくさん使ってもクルマへ過度な負担は与えないと言われています。
そのため一昔前のクルマなど、電子制御ではない昔の場合はオーバードライブをオフにしてから2速、1速と段階的に変速する方が負担が少なくよいということです。
フットブレーキとの違いは?
普段足でペダルを踏むことによってブレーキがかかるのがフットブレーキですが、エンジンブレーキとの違いをご説明いたします。
エンジンブレーキ | アクセルから足を離すことによって回転力が落ち、制動力によって徐々に減速するブレーキ |
フットブレーキ | アクセルペダルの左側にあるペダルで、停車時など減速する際に踏むことでタイヤの回転数を直接減速させるブレーキ |
エンジンブレーキを使うことでブレーキパッドの消耗を抑え、パーツを長持ちさせることもできます。
フットブレーキの使いすぎで起こる危険
前のお話でフットブレーキの使いすぎでべーパーロック現象が起きてしまうことをお話しましたが、他にもフェード現象が起きてしまいます。
べーパーロック現象 | 摩擦熱がブレーキフルード(ブレーキ液)に伝わることでブレーキフルードが沸騰し、気泡が発生します。気泡が発生すると、ブレーキペダルによって発生した油圧がブレーキフルードに伝わらず、ブレーキが効かなくなってしまう |
フェード現象 | ブレーキパッドが非常に高熱となり、摩擦材の熱分解で発生したガス膜がブレーキローターの間にはさまることで摩擦力が減り、ブレーキの効きが悪くなってしまう |
このように、フットブレーキの使いすぎによって危険な現象が起きる可能性があります。
そのため緩やかな下り坂など、常にブレーキを必要とする場面ではエンジンブレーキが推奨されています。
次の項目でもう少し詳しくご説明いたします。
エンジンブレーキとフットブレーキの使いわけ方
それぞれブレーキのかけ方が違いますが、どのタイミングでどのように使うのが適切なのか。
エンジンブレーキを使うタイミングは、緩やかな下り坂(いろは坂など)や高速道路で減速する際などに推奨されています。
しかしあくまでも推奨ですので、必ずこのときに使用してください!という決まりはありません。
フットブレーキを使うタイミングは、急な停止時などスピードをしっかり落として止まるときなどに使用します。
高速道路で渋滞しているときにも、前が渋滞しているときに後ろのクルマへ渋滞していることを知らせるためにブレーキを踏んでブレーキランプでお知らせするのがよいとされています。
そのため、高速道路では減速時にエンジンブレーキの使用が推奨されています。
高速道路でフットブレーキを多用すると、渋滞が起きていると勘違いされ後ろのクルマも減速してしまい、結果事故につながってしまう可能性があります。
エンジンブレーキの使いすぎは嫌がられることも…
前が赤信号で停車しているのがわかると、アクセルから足を離し、エンジンブレーキによってじりじりと近寄ることはありませんか?
ブレーキを踏む必要もなく、前のクルマの後ろにつくころには信号が変わるのを狙っての行為ですが、低速で進んでいると嫌がられることも…。
1台がじりじりと進むことによって後ろのクルマもすべて同じようなスピードになってしまい、しっかり停車していたい人からするとかなりの迷惑になってしまいます。
ブレーキをかけることでブレーキランプが点灯し、止まる必要があることを後ろへ伝えることも大切です。
後ろにクルマがいなければ問題ありませんが、いる場合は周りのことも考えて行動しましょう。
運転が下手だと思われたくなくてエンジンブレーキを多用する人も
エンジンブレーキを多用する人のなかには、フットブレーキの踏みすぎによって運転が下手だと思われたくなくて使用している人もいるようです。
ブレーキを使わない人ほど運転が上手いと言われていますが、その状況によると思います。
フットブレーキを使用するとブレーキランプが点灯するため、細かく踏むたびにチカチカとランプが点灯するのが運転が下手だと思われるきっかけになってしまうとのこと。
確かにブレーキを頻繁に踏んでいる人の後ろを走るのは少し怖いと感じますよね。
では、どのようにブレーキをかけるのが正解なのでしょうか?
周りに嫌だと思われないフットブレーキのかけ方
ブレーキを踏むための基本姿勢として、かかとを床につけ、指の付け根あたりがブレーキペダルのまんなかあたりにくるように踏みます。
一気に踏むのではなく、時間をかけてゆっくりと踏み込むことでゆっくりとスピードが落ち、停止時の身体への反動がなくなり同乗者も心地よく乗ることができます。
足のまんなか(土踏まず)あたりで踏んでしまうと、力の調整が上手くできずに一気にブレーキを踏みこんでしまいます。
一気に踏み込んでしまうとブレーキが一気にかかってしまい、急に止まった反動で身体が前に出てしまったり前傾姿勢になってしまって乗り心地が悪くなってしまいます。
また、ブレーキは細かく踏まず、ゆっくりと1度で使用しましょう。
細かく踏むと踏むたびに身体がぐらつき、周りから見ていると今にも壊れそうなおんぼろクルマに見えてしまいます。
同乗者や周りのためにも、ゆっくりとブレーキを踏み1度でゆっくり減速することを心がけましょう。
エンジンブレーキを利用するかアンケートを取りました!
今回もイワサキ自動車のInstagramのフォロワーさんにアンケートへ答えていただきました。
今回は13人のフォロワーさんが協力してくれました!
エンジンブレーキ使ってますか?
- つかう!……8票(62%)
- つかわない!……3票(23%)
- エンジンブレーキってなに?……2票(15%)
イワサキ自動車のフォロワーさんはエンジンブレーキを使う方が多いようです。
13票のなかにもエンジンブレーキを知らない方がいたので、もっと母数を増やしたら知らない人が意外と多そうですね。
エンジンブレーキの使いすぎは問題ないが、使いわけが重要
エンジンブレーキをたくさん使っても、最近のクルマであれば問題ないことがわかりました。
使うタイミングはさまざまで、間違ったタイミングで使わないことが重要です。
フットブレーキばかり使っていた方も、この記事を読んでエンジンブレーキと使いわけたり、周りに迷惑にならないブレーキの使い方など考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
- エンジンブレーキの使いすぎによる影響は、クルマによって変わる
- 走行中の場面によってフットブレーキとの使いわけが必要
- エンジンブレーキは周りに迷惑にならないように使用する
以上がエンジンブレーキの使いすぎによるクルマへの影響のお話でした。
エンジンブレーキをよく知らなかった方も、フットブレーキとの違いを少しでも知ってもらえたら幸いです。
年末に向けて事故が増えますので、適切なブレーキを意識し安全運転を心がけましょう。