- オートハイビームについて詳しく教えて!
- オートハイビームがトラブルの原因になるって聞いたけど本当なの?
- オートハイビームのメリットやデメリットを知りたい!
オートハイビームとは、名前が示す通り走行中に自動で前照灯(ヘッドライト)をハイビームに切り替えてくれる機能です。
2020年4月から施行されたオートライトの義務化に伴い、オートハイビーム機能を搭載している車に乗る機会があるかもしれませんが、実際に乗っているドライバーからはこんな声も聞こえてきます。
「オートハイビームのせいでトラブルになりかけた」
「オートハイビームの解除方法が判らなくて困ってしまった」
一見すると便利そうなオートハイビーム機能ですが、意外にドライバーの評価は分かれています。
この記事ではオートハイビームの概要や評判、さらにメリットとデメリットの解説と注意点について紹介します。
新たに車の購入を検討している方や、オートハイビームの後付けを考えている方はぜひ最後まで読んでみてください!
オートハイビーム機能の概要と評判について
冒頭でも紹介しましたが、走行中にヘッドライトを周辺の状況に合わせてロー・ハイに自動で切り替えてくれるのがオートハイビーム機能です。
これにより自分の意志でオートハイビーム搭載車を購入した!ではなく、「車を購入したら勝手に搭載されていた」という人が増え、切り替え精度の低さや対向車や歩行者の迷惑になるなど使い勝手の悪さを嘆く声も。
道路交通法では夜間走行時、ヘッドライトはハイビームが基本で”他車両と行き違うときや前走車の直後を走るとき”はロービームにすると定められています。
市街地やすれ違う車が多い道路ではこまめなヘッドライトの切り替えが必要となり、煩わしさを感じたり切り替えをつい忘れてしまいがち。
道路交通法の定めに則り、安全で快適な夜間走行を行う上でオートハイビーム機能は有用だという考え方を基に開発され普及していったのです。
オートハイビームが増えてきたのは2015年ごろから
2015年に日産デイズと三菱ekワゴンが軽自動車としては初となるオートハイビーム機能を搭載したことが話題になりました。
その後、2017年ごろになると”あおり運転”に関するニュースが世間を賑わせ、ドライブレコーダーをつけないリスクが注目され爆発的に普及したり、道路交通法が改正されて夜間走行時のハイビームが義務化されたりしました。
オートハイビーム機能は、カメラで周囲の状況(明るさや対向車の有無など)を認識して切り替えを行うため、ドラレコ需要の高まりや法改正が普及の追い風となり、オートハイビーム搭載車が急速に増えていきました。
オートハイビーム標準装備車が増えた一方でこんな声も
2020年4月にはオートライトが義務化され、オートハイビームが標準装備として搭載される車種も増えてきました。
オートハイビームに対する不満の声
- 切り替えが遅い
- 自転車や歩行者を認識しないときがある
- 自動切り替えが気になって運転に集中できない
- 眩しい(対向車側)ので迷惑
- etc
各メーカーの技術は日々進化しているので、オートハイビーム機能の精度は今後高まっていくはずですが、2024年現在時点では”要らない機能”だと感じているユーザーがまだまだ多いといえるかもしれません。
オートハイビームは必要なのか?メリットとデメリットを解説!
オートハイビームが自分にとって本当に必要なのかを判断するには、メリットとデメリットの双方を良く知っておくことが重要です。
それぞれを詳しく解説するので、オートハイビーム機能を使うかどうかの判断基準に役立ててください。
オートハイビームのメリットとは
オートハイビームのメリットはずばり面倒なヘッドライトの切り替えが自動で行われる点にあります。
夜間走行なのにロービームのままだったり、歩行者や対向車がいるのにハイビームのままなど、切り替えをうっかり忘れてしまうと状況次第では交通違反として罰せられる恐れがあります。
ヘッドライトの切り替え忘れで違反切符を切られる心配が大幅に減り、運転に集中できる点はドライバーにとって大きなメリットだと言えるでしょう。
また、夜間に長距離を走行するときや山道など見通しの悪い道路を走行するときは、オートハイビーム機能がドライバーの負担を軽減してくれるというメリットもあります。
オートハイビームを使うメリット
- ヘッドライトの切り替え忘れを防止できる
- ドライバーの負担を軽減して運転に集中できる
ヘッドライトの切り替えを忘れてしまいがちな人や、運転に慣れていない人にとってオートハイビーム機能はとても便利に感じるのではないでしょうか。
オートハイビーム機能のデメリット
オートハイビーム機能のデメリットは、主にドライバーの感覚とカメラの認識精度のズレが原因で起こります。
例えばドライバーは歩行者や対向車を視認しているのに、切り替えが遅かったり切り替わらないことでトラブルやストレスを感じてしまうのはデメリットになります。
オートハイビームで起こりうるデメリット
- 切り替えタイミングが遅いことでストレスを感じる恐れがある
- 歩行者や対向車を眩惑(げんわく)させてしまう恐れがある
- あおり運転や迷惑運転だと勘違いされてトラブルを引き起こす恐れがある
本来なら便利なはずのオートハイビーム機能ですが、まだまだドライバーの認識能力の方が優れているケースも多く、運転に慣れている人にとっては逆に邪魔だと感じてしまう可能性があるので注意しましょう。
オートハイビームは解除や切り替えで賢く使うのがおすすめ!
オートハイビーム機能は便利ですが、突発的な状況変化に対応が追い付かずトラブルやストレスの原因になってしまう一面も併せ持っています。
もちろん今後の技術向上によってカメラやAIの性能が高まり、デメリットが解消されていく可能性は十分考えられますが、現状では【ドライバーが状況に応じて賢く使う】のがおすすめです。
よく「オートハイビーム機能をOFFにできない!」という声を耳にしますが、ほとんどの車種・メーカーで解除や切り替えが出来るようになっています。
オートハイビーム機能を解除する方法について
オートハイビーム機能の解除方法はメーカーや車種によって異なります。
任意で機能自体をOFFにすることも可能ですが、車種によっては判りづらい手順や方法になっている場合もあり、「解除ができない!」と思い込んでしまう人も多いようです。
ここではホンダのN-Boxを例に、オートハイビーム機能の解除方法を紹介します。
N-Boxでオートハイビーム機能を”解除”する場合は
オートハイビームを解除する前に、まずはパワーモードがONになっていてライトのレバーにあるツマミがAUTOに合わせてあるかを確認しましょう。
次に車を停車させます。
オートハイビームの機能自体をOFFにする設定は、走行中に行うことができません。
ライトを操作するレバーを手前側(パッシングになる側)へ引き、そのまま40秒間キープします。
ライトのレバーを約40秒間引き続けると、メーターパネル上にあるオートハイビーム表示灯が2回点滅するのを確認できます。
点滅を確認しレバーを戻せば、【※オートハイビーム機能の解除】となります。
解除したあとで、再びオートハイビーム機能をONにしたいときは、①~④の手順を繰り返してライトのレバーを30秒引き続けて、表示灯が1回点滅するのを確認して戻しましょう。
ライトのレバーを40秒もの間引き続けて解除する、のようにオートハイビーム解除の手順は”知ってなければ無理”なものが多くなっています。
これは、メーカー側が「日常的な運転動作で誤ってオートハイビームを解除してしまわないため」に配慮したものだと思うのですが、知らないと解除ができないと思い込んでしまうのも仕方がないのかもしれません。
ちなみに、ダイハツのタントやトヨタのライズの場合だと
- システムONにする
- ライトのツマミ部分をAUTOとライトONへの切り替えを4回素早く行う
- ライトレバーを手前に引き続け②と同じく切り替えを4回素早く行う
- ②~③の手順を10秒以内に行い、成功すると表示灯が5回点滅して解除される
まるで何かの裏ワザかと思えるほどに、知らない人は絶対に解除できない手順となっています。
ここで紹介したオートハイビーム解除は一例で、メーカーや車種ごとに設定方法は異なりますので、どうしても解除したい場合は取扱説明書を参考に正しい手順で行うようにしましょう。
オートハイビーム機能がONでも手動で簡単に切り替え可能!
実はオートハイビーム機能を完全にOFFにしなくても、デメリットを無くして快適な運転を手軽に楽しむ方法があります。
それは、ドライバー自身が手動でオートハイビーム機能を適宜サポートして運転するという方法です。
簡単に言えば、オートハイビーム機能を過信せず、必要に応じて手動でも切り替えを行いながら運転すればノーストレスでデメリットはほとんど感じなくて済みます。
オートハイビーム機能だからと手動での切り替えを一切行わないと、切り替えが遅れたり切り替わらなかったりという問題が起きてしまいます。
しかし、ドライバー自身がオートハイビームが機能していないときにサポートすれば、わざわざOFFにしなくても快適な運転を楽しむことが可能です。
オートハイビーム関連の疑問・質問をまとめて解説!
最後に、記事内ではお伝えしきれなかったオートハイビーム関連で多く聞かれる疑問や質問を解説付で紹介します。
- オートハイビームは義務だと聞いたのですが?
-
オートハイビーム関連で多く寄せられるのが「義務なんですか?」という質問です。
結論から言うと、オートハイビーム機能を使うこと自体は義務ではありません!
記事内でも触れていますが、2017年の道路交通法改正で”夜間のハイビーム走行”など適切なライトの切り替えが義務化。
さらに2020年の法改正で、オートライト(暗くなると自動でヘッドライトが点灯)機能の搭載が※義務化されました。※付いていない車にわざわざ後付けする必要は無し
これらの義務化と混同しがちですが、オートハイビーム機能は使わなくても全く問題ありません。
- オートハイビームにしていたらパッシングされた・クラクションを鳴らされた
-
意外に多いのが、オートハイビーム機能で走行中に嫌な思いをしたという意見です。
対策としておすすめしているのが、記事内でも紹介している「状況に応じて手動でライトを切り替える」という運転です。
ハイビームが眩しい!と周囲に感じさせる運転は、トラブルの原因になるばかりか減光等義務違反という交通違反で罰せられる恐れもあります。
オートハイビーム関連のトラブルは防げる!過信せず賢く使おう!
法律では夜間走行は基本的にハイビームと定められていますが、実際の運転ではかなり頻繁にロービームへの切り替えが起こります。
オートハイビーム機能は便利ですが、過信をせずに状況に応じて手動でも切り替えを行うのがおすすめです。
- オートハイビーム機能は便利だが切り替えが遅いなど問題もある
- オートハイビーム機能は解除できるがその方法は意外に知られていない
- 技術の向上でオートハイビームは今後ますます便利になるはず!
オートハイビームを全面的に信頼するよりは、切り替えは手動で行うのを基本にして「切り替え忘れをサポートしてくれる機能」と考えてみるのも良いかもしれません。
これを機にオートハイビーム機能を上手に活用して快適な運転を楽しみましょう。