- 光電管での速度取り締まりの仕組みが知りたい!
- 光電管式の速度測定装置はレーダー探知機に反応する?
- 光電管の取り締まりは対策できる?
スピード違反の取り締まりといえば、道路上に固定された「オービス(自動速度違反取締運転装置)」や物陰に隠れてレーダーで測定する「ネズミ捕り」を思い浮かべる人が多いかと思いますが、光電管による取り締まりも行われるようになってきました。
光電管を使った取り締まりは測定装置が小型でレーダー探知機にも反応しないので、気付かないうちに速度を測定されてしまう危険性が高い方法です。
この記事では、光電管による取り締まりの方法について解説します。
光電管の原理やどんな状態で設置してあるかを知れば、道路に見慣れない機器があったときに「なんだろう」と気を取られることもなくなるので、参考にしていただければと思います。
光電管式の取り締まりは探知するのが難しい
速度取り締まりといえばレーダーによるオービス(自動速度違反取締運転装置)が一般的でしたが、移動式の速度取り締まりとして光電管を使用した測定方法も取り入れられるようになってきました。
光電管式とはレーダーではなく光線(赤外線や可視光線)を照射して速度を測定する仕組みです。
光電管を利用した取り締まりの仕組み
光電管を利用した取り締まりでは、光線を照射する2個の装置の間を車が通過した時間から速度を計算します。
光電管式の速度取り締まりでは、3メートル間隔で2個の光電管の装置を並べ、さらに向かい合うように反射器を設置します。光電管の装置には光線を照射する投光部と受光部があり、反射器で反射した光を受け取れるようになっています。
光電管というのは光の強弱を電流の強弱にかえる電子管のことです。言葉で説明すると難しく感じますが、わかりやすく説明すると光が当たる量の変化で装置のスイッチがオンやオフになる仕組みです。
身近なところでは自動ドアや陸上競技のタイム測定にも使われてるものになります。自動ドアでは、ドアの前に人が近づくと照射されている光線がさえぎられてドアが開きますよね。
陸上競技ではスタートとゴールに置いた光電管のセンサーとストップウォッチが連動するように設定し、スタートからゴールまでを自動で測定する装置があります。
それと同様の仕組みで、光電管式の速度測定装置では最初の装置を通過したときに時間の測定が開始され、2個目を通過したときには測定が終了になり、かかった時間と距離からが速度が算出されるのです。
光電管式の取り締まりでは、測定位置を過ぎた場所にカメラを設置する場合と警察官がすぐに車両を停止させ切符を作成する場合のどちらも行われており、その場で声をかけられなくても後から通知が届くこともあると覚えておきましょう。
光電管から照射されるのはただの「光」でレーダーではないため、レーダー探知機には反応しません。また、光電管のセンサーは小型なので取り締まりに気付きにくいという特徴があります。
光電管などの移動式の取り締まりが行われる場所はついスピードを出してしまう交通量が少ない道路、法定速度(60km)から指定速度(40kmなど)に切り替わる場所などの速度違反による事故が起こりやすい場所です。
普段ついスピードを出してしまう場所があれば、取り締まりの対象個所になっているかもしれないので日ごろからスピードを出しすぎないように気を付けましょう。
他の取り締まり機器と光電管方式の違い
速度測定装置には光電管方式以外にレーダー式やループコイル方式があります。それぞれ仕組みや対策が違うので特徴を覚えておきましょう。
レーダー式
レーダー式の速度取り締まり装置は、名前の通りレーダーを車体に照射して速度を測定する仕組みの装置です。
車体で反射したレーダーの周波数で速度を測定する仕組みで、レーダーが当たったときにはすでに速度が測定されている場合がほとんどです。
古いタイプは、レーダーを常に出していたので取り締まり場所をレーダー探知機で見つけやすかったのですが、新しいタイプでは車両の接近を感知してレーダーを照射するタイプもあるので注意が必要です。
ループコイル式
ループコイル式は、道路の下に埋め込まれたコイルの上を通過する時間で速度を測定し取り締まります。
6.9mの距離に3カ所コイルが埋められており1本目から2本目、2本目から3本目を通過するのにかかった時間をそれぞれ測定し、時間と距離から速度を割り出します。
ループコイルは電磁石を利用した仕組みで、金属である自動車がコイルの上を通過することで測定のスイッチが入ります。
コイルの先はカメラに接続されており、速度超過と判定されると撮影されます。コイルから発生する磁場を利用した測定方法のため、レーダー探知機では探知できませんが、道路に埋め込む必要があるため設置場所をリサーチしやすいという面もあります。
ポイントを押さえれば光電管式の取り締まりでも対策可能
光電管式は、レーダーを照射するタイプの取り締まり機器ではないためレーダー探知機には反応しません。
そのかわり、光電管での速度取り締まりでは歩道側に光線式の取り締まり装置を3m間隔に2個設置し、さらに中央線側に反射器を設置する必要があるため、設置に時間がかかるというデメリットもあります。
取り締まりしていることを周囲に気付かれやすく、取り締まり情報を発信しているサイトに把握される可能性が高いので、取り締まり状況が心配な場合は情報サイトなどをチェックしてみてください。
ただし、取り締まりを行っているということは事故を起こしやすい道路ともいえます。スピードの出しすぎには注意して安全運転を心がけましょう。
反射器は車道上にあるので植え込みなどでカムフラージュできないので速度を落として走行すれば運転席からも確認可能です。光電管のセンサーの位置がずれると測定できなくなるので光電管のセンサー側にバイクや自転車が接触しないようにカラーコーンを置いていることもあります。
2個の測定器の間を通過する時間を計測するため取り締まりに気付いた段階で速度を落とせば測定時にはスピードが落ちることも考えられるので、日ごろから視野を広く保つ運転を心がけましょう。
また、道路上に置いてある機器に気付かないほどスピードで運転するということは、道路上に落下物があっても気付けないということなので、狭い道路や見通しの悪い場所では特にスピードの出しすぎに注意してください。
光電管での速度取り締まりに関するQ&A
- 光電管での取り締まりでは何キロオーバーすれば測定されますか?
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固定式のオービスは交通量の多い大きな道路に設置されるため、30kmオーバーで光るように設定されていることが多いのですが、光電管などの移動式の取り締まりは超過速度が厳しめになっています。
また、何km制限の道路かによっても取り締まりの対象が違ってきます。40km制限の道路の場合は15km超過でも測定される場合があるので安全運転を心がけましょう。
- 光電管などの移動式の取り締まりで撮影された場合はいつ通知が届きますか?
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移動式の場合は、取り締まりを行った後すぐに処理されるので固定式より早く通知がきます。通常は1~2週間程度ですが、件数が多いと1か月程度かかる場合があります。
やっかいな光電管での速度取り締まりは目視で回避!
光電管式はレーダー探知機に反応しないタイプの取り締まり方法ですが、ループコイル式と違い計測器が見えるので周囲を注意しながら運転していれば回避できる場合が多いです。
間近になってから光電管に気付いた場合でも、2個目の光電管のセンサーを通過するまでは速度を落とすチャンスがあります。
ただし、急ブレーキを踏んでしまうと後続車に追突される恐れがあるので無理はしないように!日ごろから安全運転を心がけるのが一番の対策です。
運転するときは視野を広げて道路状況を確認することで早めに取り締まりに気付けるということもあるので、運転中は目の前の道路や対向車だけでなく遠くまで見るようにしてください。
- 光電管を使った取り締まりでは2個の機器の間を通過する時間から速度を割り出す
- 光電管式の速度測定装置はレーダー探知機に反応しない
- 光電管での取り締まりに気付いた時点で速度を落とせば違反を回避できる可能性が高い
車の流れに乗っているとついスピードが出てしまうことがありますが、取り締まりには注意喚起の意味もあります。光電管などの移動できる測定装置で取り締まりが行われているということは、スピードの出しすぎに注意すべき道路ということになるのです。
速度取り締まりではほとんどの場合は測定装置やパトカー、警察官などを目視できるので、事故を防ぐ意味でも周囲の状況に目を配りながら運転しましょう。